2011年2月28日月曜日

特許:【特許法171条2項により準用される民訴法338条2項の要件】「解釈」(最高裁判決引用):(知財高裁平成23年2月28日判決(平成22年(行ケ)第10387号審決取消請求事件))






特許:【特許法171条2項により準用される民訴法338条2項の要件】「解釈」(最高裁判決引用):(知財高裁平成23年2月28日判決(平成22年(行ケ)第10387号審決取消請求事件))




知的財産高等裁判所第3部「飯村敏明コート」


平成22(行ケ)10387 審決取消請求事件 特許権 行政訴訟
平成23年02月28日 知的財産高等裁判所

(知財高裁平成23年2月28日判決(平成22年(行ケ)第10387号審決取消請求事件))

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【特許法171条2項により準用される民訴法338条2項の要件】「解釈」(最高裁判決引用)




判示



当裁判所の判断

原告は,「原審決には虚偽の記述がある。刑法156条所定の虚偽公文書作成罪(有印)に該当する疑いがある。よって,原審決には,民訴法338条1項4号及び同条2項所定の再審の事由がある。そうであるのに,本件再審審決は,特許法173条1項の再審の請求期間に係る判断を誤り(取消事由1),民訴法338条2項に係る判断を誤り(取消事由2),その結果,本件再審請求を却下したから,取り消されるべきである。」旨主張する。

しかし,原告の主張は,採用の限りでない。その理由は,次のとおりである。

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(1)

事案に鑑み,民訴法338条2項に係る判断の誤り(取消事由2)から判断する。

民訴法上の再審の訴えにおいては,民訴法338条1項4号に掲げる事由がある場合においては,「罰すべき行為について,有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき,又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り,再審の訴えを提起することができる。」(民訴法338条2項)と定められており,この要件は,再審の訴えを,再審事由の存在する蓋然性が顕著な場合に限定して濫訴の弊害を防止しようとする趣旨によるものであると解されるから,この要件を欠くときには,再審の訴え自体が不適法となり,同条1項4号の再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく,再審の訴えは却下を免れないものであると解される(最高裁判所昭和44年(オ)第793号昭和45年10月9日第二小法廷判決参照)。

そうすると,拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審についても,これと同様に,特許法171条2項により準用される民訴法338条2項の要件を欠くときには,再審の請求自体が不適法となり,同条1項4号の再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく,再審の請求は,却下を免れないものである。

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(2)

これを本件についてみると,原告が主張する原審決に係る民訴法338条1項4号にいう「職務に関する罪」に関しては,「有罪の判決若しくは過料の裁判が確定した」ものではないことについて,当事者間に争いがない。また,「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」に当たると認めるに足りる証拠もない。そうすると,本件再審請求は,特許法171条2項が準用する民訴法338条2項の適法性要件を欠くものであるといわざるを得ない。

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(3)

よって,本件再審請求は,「不適法な審判の請求であって,その補正をすることができないもの」として,これを却下するのが相当である(特許法174条1項,135条)。よって,これと同じ本件再審審決の結論に誤りはない。

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縮小版(最高裁判決引用)



「民訴法上の再審の訴えにおいては,民訴法338条1項4号に掲げる事由がある場合においては,「罰すべき行為について,有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき,又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り,再審の訴えを提起することができる。」(民訴法338条2項)と定められており,この要件は,再審の訴えを,再審事由の存在する蓋然性が顕著な場合に限定して濫訴の弊害を防止しようとする趣旨によるものであると解されるから,この要件を欠くときには,再審の訴え自体が不適法となり,同条1項4号の再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく,再審の訴えは却下を免れないものであると解される(最高裁判所昭和44年(オ)第793号昭和45年10月9日第二小法廷判決参照)。」(知財高裁平成23年2月28日判決(平成22年(行ケ)第10387号審決取消請求事件))

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Last Update: 2011-03-03 14:52:54 JST

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